アサメシヤ

庭師の目線で見る世界

もっと自然で遊び、自然を食べるべき(北タイの山岳民族支援から考える)

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僕はタイの山岳地帯に暮らす山岳民族の支援活動をしています。


よく他の支援者や団体と出会うことがあるのですが、中には支援としてそれは正しいのかと疑うようなことをしている人もいます。


その支援者は子供達に沢山のおもちゃや、お菓子を配ります。


しかし、おもちゃなんて無くても、子供達は自然の中から様々な遊びを生み出します。木登りや川遊び、木の実を使っておはじき、ナイフが使えるようになれば竹や木、草を加工して自ら遊びを生み出します。


そしてタイの山岳地帯は食べ物は豊富にあります。子供たちはその辺に生えているフルーツをとって食べています。


自然の中で遊ぶことで自ら考える力をつけることが出来ます。町ではなく山の中に生きる彼らにとって、自然の中で遊ぶことは自然の恐ろしさと豊かさを学び、自然の恵みを得る知恵と技術を学びます。


おもちゃを与えることで自然から学ぶ機会を奪う結果になります。自然の驚異を甘く見ることで大きな事故に巻き込まれるかもしれません。


また多くのおもちゃはプラスチック製品です。壊れて使えなくなった時、ゴミの収集システムのない地域では燃やすか、山に捨てることになります。

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山の中に捨てられたゴミ

土地の物を食べることが健康にもよく食べれるもの食べれないものを見分ける力が付きます。


しかしお菓子を与えることで健康を害することになります。精製糖は中毒性が強く、血糖値を急激に上昇、下降させることで疲労感や食べ過ぎになり、生活習慣病や虫歯の原因になります。


そんなことは誰もが分かることのはずなのに日本人を含めた支援者たちはそれらを与え続けています。


山岳民族の彼らはもちろんもらえれば喜ぶので、支援する側の人助けをしたという気持ちを満たしてくれます。しかしそれは自分の気持ちを満たすための支援であって本当に彼らの未来を考えての行動ではありません。



そして自然で遊び自然を食べるという考え方はそのまま現代の日本にも当てはめることが出来ます。


加工食品ではなく自然の物を食べることで病気になる人が減り、ゴミの排出も抑えられることになります。


自然の中から道具や食べ物を得ることは、自ら考える力を身につけ自然への感謝の気持ちを育むことで自然を大切にする気持ちを育みます。


しかし今の日本の社会は自然を危険視しすぎています。規制ばかりで立ち入り禁止の場所が多く、ナイフを持つことも火を扱うことにも規制で縛られます。


確かに規制が事故を未然に防いでいることはあると思いますが、規制ばかりだといざというとき、例えば大きな災害に巻き込まれた時など食料を得て火を起こすことが出来なければ生き延びることができないかもしれません。


何もかもを規制で固めるのではなく、正しい知識を身につけ、自分自身で危険を判断できた方が生きるためにはずっと必要なことだと思います。