山岳民族の家ホームステイの3件目のお宅はミャンマーのパオ族です。
過去の記事はこちら↓
山岳民族の家にホームステイしてみた その1アカ族 - アサメシヤ
山岳民族の家にホームステイしてみた その2カレン族 - アサメシヤ
こちらのお宅は歩いて山を抜ける途中暗くなってしまって泊めていただいたお宅です。突然の訪問にも関わらず向かい入れてくれました。
パオ族
ミャンマーの観光地としても有名なインレー湖の周辺にはパオ族と呼ばれる山岳民族が住んでいます。
インレー湖からカロ―という町までの山岳地帯はパオ族が暮らす地域です。ここはトレッキングルートとしてツアーもあるようですが、自力で行ってみました。
インレー湖からスタートして山岳地帯に入る場所までは車が通れる道路がありますが、車の通れないような道に入ると一気に険しい山になります。バイクなら通れますが、結構な急斜面です。
最初の集落まで思っていたより遠く、途中で暗くなってしまいました。街灯などはないのでヘッドライトを付けて歩きます。
こういう時怖いのは野犬ですね。群れにでも遭遇したらひとたまりもありません。念のため長めの木の棒を拾っておきました。心もとないけどいざというときはこれで戦います。
しばらく歩くと集落が見えてきました。ほとんどの家はもう家に入ってしまって家から明かりが漏れているのですが外を歩いているひとはいません。
さすがにいきなり夜に訪問したら強盗や誘拐と間違われて銃で撃たれる可能性も否定できないです。何しろパオ族のこと何も知りませんから。
少し歩くと12歳くらいの子供達が5~6人で歩いてきます。話しかけてみるとミャンマー語なのかパオ語なのか分かりませんが言葉がわかりません。ジェスチャーで泊まりたいということを説明するとなぜか爆笑されました。
その中の一人の家に泊めて貰えそうなのでついていきます。その子の家に行く間も子供たちは爆笑しまくり。さっきまでの心配は吹き飛びました。
その家は竹で出来た2階建ての家です。5人家族でお父さんとお母さん、最初に合った長男、それと長女、次男です。
まったく知らない外国人が夜中にいきなり来たわけですから若干の警戒心はぬぐい切れませんが、ご飯も頂きもてなしてくれました。
ご飯はお米と野菜の炒め物です。もらっておいてなんですが、これがあまりにも辛いうえにおいしくない・・・。しかしせっかくの好意を無駄にしたくないと思いおいしそうに食べました。この状況これしか選択肢選べなかったです。
家には電球の照明が一つあるだけでかなり暗いです。文字を読むのは難しいくらいの暗さです。ちなみに電気は電線が通っていないので太陽光発電です。それを自動車用のバッテリーに貯めています。
スマホはお父さんと長男が持っているようです。家電といえば電球とスマホくらいのようです。冷蔵庫や洗濯機、ラジオもありません。
ネットがつながったのでgoogle翻訳でミャンマー語で会話してみました。パオ語というのがあるのか分かりませんが、ミャンマー語は読めるみたいです。
主な仕事は農業で野菜を作っていて、子供たちは学校に通っていますが今は長期の休暇中です。
途中でネットがつながらくなりgoogle翻訳は使えなくなりましたが、ジェスチャーでは伝わらないことを伝えることのできるテクノロジーに感謝です。
トイレに行きたくなりどこか聞くと外にあるようで長男が案内してくれました。家から20メートルほどの所にありますが、真っ暗なのでスマホの明かりを頼りに行きます。
トイレは手作り感満載で便器はプラスチック製で手動の水洗ですが、水道もなければ下水もないのでブツがどこにいくのか謎です。
その日は布団の中で眠ることができました。野宿も覚悟していたので快適でありがたいです。
翌朝起きてみると家の外がどうなっているのか分かりました。家の隣には牛舎があって水牛を飼っています。
一階は納屋とキッチンになっていてキッチンから階段を上った2階がリビングと寝室です。キッチンは土間になっていて火は七輪を使います。
水場は外にあります。お皿を洗うのも歯磨きも、洗濯も、体を洗うのも外です。井戸のようなところから水を汲みますが、雨水をためているだけのようです。濁っていてゴミも浮いているので僕が飲んだら多分お腹こわします。
というか実はこの時余り体調がよくありませんでした。何日か立て続けで動いていたので疲れが出たのかもしれません。
家に戻ると朝ごはんを用意してくれました。食欲はありませんでしたが、少しだけいただきます。
その後お父さんが村を案内してくれました。家のすぐ裏ではパゴダを作っていました。パゴダとは日本語では仏塔と呼びますが日本の仏塔とは少し意味が違うようです。ミャンマーではパゴダを建てることは最大の功徳とされています。
建設中のパゴダを間近で見れることはそうそうないので良いものを見ることができました。レンガを積み上げて後からコンクリートを塗り上げていきます。コンクリートが無い時代は土だったんですかね。
設計図もあるようで寸法もしっかり決まっていますし、ディテールは紙で原寸大の模型もつくってあります。勝手にカンとノリを頼りに作っていると思っていました。
お父さんがバイクでバスの通る道路まで送ってくれるそうなので送ってもらうことに。体調もよくないので甘えさせてもらいます。
バスの通る道路までは30分ほど、村は森の中なのに途中から草木のほとんどない赤茶けた大地を横切ります。
無事バスの通る道路につくと車が沢山走っています。たった一泊だったのに文明社会に戻ってきた感じがしますね。
お世話になったおとうさんともお別れして次の町に向かうためバスに乗りこみました。
※パオ族は龍の母親と鳥人の父親から生まれたと伝えられていて女性が龍頭に巻いているターバンの突き出た部分が龍のツノを表しているといわれています。農業が主な産業で、禁止されていますがケシの栽培もまだあるそうです。