アカ族の家へのホームステイに続きカレン族の家にホームステイしたときのことを紹介します。
アカ族のお宅にホームステイしたときの記事はこちら
山岳民族の家にホームステイしてみた その1アカ族 - アサメシヤ
カレン族
今回お邪魔したお宅はメーホーンソンのクンユアムからミャンマーの国境に向かってバイクで1時間半くらいの所にある小さな村です。
カレン族にも種類があるようで首長族ともいわれるカレン族はスゴ―カレン、僕の訪れたカレンの村はポーカレンと呼ばれる人たちで首は長くないです。
知り合いからの紹介で、電話番号は聞いて連絡は取っていたのですが、正確な位置はわかりません。
小さな村なので名前さえ知っていれば誰かに聞けば分かるだろうと思い取り合えず行ってみることにしました。
村につくと商店の周りに人が集まっていたので、そこで聞いてみると一発でわかりました。みんな知ってる感じだったので、有名な人なのか村人全員知り合いなのか。
家に伺ってみると留守のようです。僕の持っていた携帯は電波がつながらなかったので隣のお宅に聞いてみると電話で呼んでくれました。
隣のお宅でお茶を頂き待っていると、ホームステイ先のお父さんが現れました。優しそうな人で一目見ただけでいい人だと分かりました。
今は仕事をしていたようでそのままバイクの後ろに乗って仕事場まで連れて行ってもらいます。
山道をバイクで走るとそこには広大な農場がありました。
水牛や牛がそれぞれ40頭くらいはいるでしょうか。鶏もたくさん放し飼いでそこら辺を走り回ってます。というか、ここの鶏すごくアクティブです。3メートルくらいの木の上まで飛んでいきます。鶏の本気を見た気がします。
農場にはミャンマーからの難民の子も働いています。もともとカレンはミャンマーに住んでいて紛争を避けるためタイに難民として入ってきたという歴史があります。現在でもタイ国内にはカレン族の暮らす難民キャンプがいくつかあります。
お昼はクイッティアオ屋(タイラーメン)に行きました。ここのお店は竹とヤシの葉の屋根で出来ていて、竹の床几のうえにゴザを敷いたスタイルで雰囲気抜群です。すぐ近くの川に足を浸しながら食事できるスペースもあり、クイッティアオ一杯でこんな贅沢な寛ぎができるのかと思いました。
食後ゆっくりしたら今日の仕事は終わりです。またバイクの後ろに乗せてもらって家に帰ります。
家に帰っても特にすることもないのでお父さんが散歩に誘ってくれました。
お父さんの家もそうですが、この村は竹で出来た家もありますが木でできた家が多いようです。それも直径50㎝はあるような太い木の柱をつかっています。壁も厚い木の板を使っていて、他の村と比べると裕福な方なのではないかと思います。
村の入り口の小さな橋の上から川を除いてみると残念な光景ですが、ゴミが大量に投げ捨てられていました。ポイ捨てはバンコクやチェンマイなど街なかより田舎の方が多いように感じます。
もともとは捨てても自然に帰るものだけを使っていたのでポイ捨てしても問題なかったのですが、今はプラスチックや金属などの製品が田舎の村にも入ってきています。昔の感覚で捨ててしまう人が多いので、ゴミに対する意識の薄い田舎の方がポイ捨てが多いんですね。
しかも場所によってはゴミ収集そのものがないのでどうしようもないところがあります。燃やしてしまうことも多いのですが、ダイオキシンなど有毒なガスが出るなど知識がないことも問題です。
村には小学校があります。中学になるとクンユアムの町にある学校に行きますが村からは通うには遠すぎるので学校の中にある寮に泊まることになります。
村を少し回って帰りにお父さんの友達の家に寄っていきました。バナナとお茶を頂き一休みです。
カレン族同士はカレン語で話すのでまったく理解できません。カレン語といっても一つではなく、種類があり同じカレン族でも通じないくらい違うそうです。
バナナの皮は家の外に向かってポイ捨てOKです。下を見ると鶏がつついています。自然の中でサイクルできる田舎のいいところですね。
家に帰るとおじさんが(どういう関係か分からなかった。たぶん従業員)バナナの茎をナタで細かく切って大きなすり鉢で潰しています。
何をしているのかと思ったら、それを持っていった先には豚がいました。豚のエサを作っていたんですね。
さっきお父さんが来るまで待たせてもらった隣の人が外で晩御飯の支度をしていたので覗いてみました。小さな魚のようなものを何かしていると思ってよく見たらオタマジャクシでした。
オタマジャクシの内臓を取って下ごしらえしているところでした。カエルは聞いたことあるけどオタマジャクシって食べるのか・・・。
近くには鶏がウロウロして食材のおこぼれにあずかろうと待ち構えていますが、オタマジャクシの内臓は食べようとしません。鶏でも苦いのわかってるんですね(笑)
家に戻ってお風呂に入ります。もちろん温かいお湯などありません。ホントにこれだけはどうしても我慢ならないですね。逆にいえば暖かいお湯さえあれば快適に住めます。
風呂から上がるとお母さんのお姉さんが帰ってきました。手にはパチンコを持っています。どうやら山で食材を探しながら鳥を見つけたら撃ち落として捕まえるみたいです。残念ながら今回は捕まえられなかったそうです。
カレン族は半農半狩猟という暮らしをしています。どちらかというと農業よりですが銃を持って山に入っていく男の姿を時々見かけます。
この日の晩ごはんはカイジアオ(オムレツ)、カエルのカレー、オタマジャクシの炒め物。
カエルのカレーは分かります。しかしオタマジャクシは初めて食べます。見た目は正直グロいです。味の方はほのかに苦みを感じるような、調味料の味にかき消され本来の味が分かりませんが、本来の味は味わいたくないです。
カエルの方は姿が残っていて多少のグロさはありますが、鶏肉のようで美味しいです。皮の弾力もなんとも言えないです。でも小骨が多いので気を付けて食べます。
お腹いっぱい食べた後は息子さんの家にいきました。家といっても同じ敷地内にあって寝室とリビングだけが独立して建ってあるので別棟の部屋という感じです。
ではなぜお邪魔するのかというと大きなTVがあるから、そこで大好きなムエタイを見ます。まさか山岳民族のお宅でTVでムエタイ見るとは思っていませんでした。
一緒にムエタイに夢中になっていると4歳くらいの女の子のお孫さんがちょっかいを出してきます。負けじとこっちも応戦すると布団の中にもぐってしまいます。
しばらくすると慣れてきたのか話しかけてくれます。タイ語は今勉強中でまだ少ししか話せません。これなら僕の方がタイ語分かるぞということですこし優越感(笑)
突然部屋の隅から大きな鳴き声が聞こえてきました。トッケイという鳴き声を発するそれは鳴き声がそのまま名前のトッケイです。トカゲの一種ですが結構大きいです。このサイズのトカゲが家の中にいても誰も気にしないんですね。ちなみにこいつは噛んでくるので手を出してはいけません。
ムエタイは途中でしたが眠くなってきたのでおやすみなさいをして蚊帳にもぐりました。
次の日起きてみるとまだ辺りは暗いです。しかしみんな起きているようです。僕も起きようとしますが寒すぎてなかなか起きられません。昼間は熱いのに朝晩の冷え込みは本当にきついです。
寒いながらも起きてみると焚火を焚いてくれました。
焚火といってもキッチンに薪で火をおこせるスペースがあります。しかもこれ竹で出来た高床式の家の中にあるんですよ。燃えないのか心配になりますが、焚火の下は土を敷いているので火が移る心配はないそうです。
焚火で沸かしたお湯でお茶を淹れます。焚火を見ながら飲むお茶も最高です。
朝ごはんの後は仕事に行きます。今日もお父さんのバイクの後ろに乗せてもらって農場に向かいます。
牛と水牛のエサやりを手伝いました。牛たちを飼っているところは水田の跡地(休耕田かも。聞くの忘れました)です。広いスペースにエサとなる草をまんべんなく置いていきます。草は塊になっていて米俵のようなサイズです。100個以上は草の塊を運んだでしょうか。
運び終わると牛たちを木でできた柵のゲートを開けるとみんな一斉に草に向かっていきます。
ちなみに牛と水牛の違いってツノの大きさだけかと思っていたんですが、体自体も水牛の方がずっと大きいですね。牛は近づいても怖くないんですが、水牛は少し怖いぐらいです。
エサやりが終わったら次は何をするのかと張り切っていたら特になにもしません。お茶を飲んだり昼寝をしたり、なんだか昨日から休憩ばかりで働きたい欲求があるのですが、することもなく昼寝していました。
とはいえ風通しの良い竹の小屋から牛たちを眺めながら昼寝するというのは最高の贅沢ですね。
その間おとうさんはのこぎりを研いだりタバコを吸ったり。タバコはタバコの葉とタマリンドの皮を混ぜた巻きたばこです。
ちなみに家畜たちを売るときの値段は水牛40000バーツ、牛20000バーツ、鶏1㎏100バーツ(一羽約3㎏)
利益がどれくらいなのか分かりませんが、お父さんたちの生活水準からみるとそこそこ儲かっているのかと思います。
そんな感じで食べては寝てばかりでしたがそろそろお別れです。また訪れることを約束してバイクで帰ります。
今度は来るときは狩猟にもついていきたいですね。