今回、子供の家庭福祉について研究している大学の先生にお話を聞かせて頂く機会があり、僕が関わっているタイの山岳民族の現状とも少なからず共通点がありました。
先生のお話の中で驚いたのが日本にも人身売買があるという事実です。あるということは知っていたのですが、ニュースなどで表に出てくることはなく現実感がありませんでした。実際の現状を聞くと想像以上に大きな問題だと感じます。
発展途上国の人身売買問題は取り上げられるのに、自分たちの国で起こっていることは話題にならないのはなぜでしょうか。
自分なりに解決方法を考えてみます。
暴力団との関わり
人身売買には暴力団が関わっているケースが多いです。お金を得るために親が暴力団に子供を売るということがあるそうです。
売られる先は風俗店やポルノビデオの撮影などで女子だけでなく男子も需要があり、若ければ若いほど高値で取引されます。
貧乏人から搾り取る
そもそもなぜお金がない状態になるのかというとそこにも暴力団が関わってることがあります。
ドラッグに手を出して、依存症になる人がいます。新たなドラッグを求めるうちに正常な判断ができなくなり、生活に支障が出るまでドラッグにお金をつぎ込んでしまいます。
例えその人がドラッグを止めることができても、一度依存してしまったら再発の可能性は高くそれを暴力団は逃しません。
ドラッグを使用し復帰した有名人もファンだという人から握手を求められて握手をしたら、その手にドラッグが残されていたなんてこともあるようです。
ドラッグと人身売買の関連性がどこまであるのか分かりませんが、正常な判断力を欠いた親は薬欲しさに子供を売るということもあるかもしれません。
被害者を救う手立ては?
人身売買含め家庭福祉に対する日本の対策は予算のかけ方など先進国の中では最低ランクといってよいです。お隣の韓国や中国にも劣ります。
地域による意識の差も大きくまだまだその点に関して日本は後進国と言えます。
ちなみに日本は人身売買の受け入れ国でもあります。東南アジアから女性を騙す形で風俗店で働かせるなど現代でもあるのです。
日本の人身売買に対する意識の低さを感じます。
問題点はどこにあるのか
日本の人身売買問題はどこに原因があるのでしょうか。様々な問題が重なって起きることではありますが、親の問題について考えたいと思います。
子供を売るというのは正常な感覚ではありません。しかしそんな状態になることを止められない社会の構造にも問題があります。
親もお金のために喜んで子供を売っているわけではないはずです。彼らなりに悩んで出した結論なのだと思います。
しかし社会はそのような人間とは関わり合いになりたくありません。僕だってそんな人間と付き合うのは御免です。
そのため誰にも相談できなくて、本当は彼らの問題を解決する仕組みがあったとしても彼ら自身の力ではたどり着けません。
解決策を考えてみる
人身売買に至るまでは経済的問題や親子関係、恐喝などの理由があります。そのような問題を気軽に相談でき、社会が救い上げるような仕組みが必要ではないでしょうか。
ソーシャルビジネスの第一人者バングラデシュのムハマド・ユヌス氏という人がいます。ユヌス氏のグラミン銀行ではマイクロクレジットという貧困家庭でもお金を借りることができるシステムを作り出しました。
お金を借りてビジネスを行いたいという人達は5人組をつくります。その5人は連帯責任となり誰か1人が返せなければ残りの4人が返さなければならないのですが、その目的はただリスクを回避するためではありません。
グループをつくることにより、お互いが助けあうことになります。問題が起こったとしても相談する相手がいるため問題を回避する確率が高まります。グループをつくるということは、一人で悩まず社会からのはみ出し者をださないシステムになっているのです。
この様に強制的でも社会からのはみ出し者をださないシステムは、お互い相談ができるため一人で悩むことで間違った判断をすることを回避することに繋がります。
「気軽に相談が出来て間違った方向に行く前に仲間が指摘できるコミュニティづくり」これが僕の考えた解決策の一つです。
まとめ
今回、児童虐待など家庭福祉に関することなどお聞きして、中でも人身売買については日本の現状がこれほどひどいとは思っていなかったので、日本の人身売買について考えてみました。
今まで問題の目立つアジアについて考えることが多かったのですが、児童虐待、貧困家庭、差別、引きこもりなど日本でも多くの問題があることに改めて考えさせられるいい機会となりました。
やはり日本人として日本が良い国だと言いたいので日本の問題とも向き合っていかなければなりません。